★今街で噂の★酒そばとはこんなそば 酒そばってこんなそば

通常そばを練るときには、水を使用するのですが、その水のかわりに「お酒」を使って練ったのが、 当店自慢の酒そばです!

お酒は富山で人気の地酒を使っています!
お酒の風味と香りが、 そば本来の風味と香りにからみあい、今までにないおいしいおそばができあがりました!

そば通、お酒通と呼ばれる方の中には、そばを食べ終わった後に
「残ったそばつゆに酒を少し足して飲む」のが最大の楽しみといいますよね。
まさしくお酒好きの方には、もう「たまりませ~ん!」っておいしさです♪

でも、お酒の苦手な方でもご安心くださいね! アルコール成分はそばを茹でた時にほとんど飛んじゃいますから、 お子様でも安心して食べられますよ!
(※但し、アルコールに弱い体質の方や小さなお子様はご注意ください。)


酒そばをゆでた後の蕎麦湯はえもいわれぬおいしさそばを茹でたあとのそば湯は ほのかなお酒の香りと旨味がでており、 それはそれはえもいわれぬおいしさ!
そばのお味から、香り、はたまたそば湯まで、 全てがたまらなぁ~いのが酒そばです♪

いつもの「そば」とは違う、ちょっとリッチなひと時を「酒そば」でお楽しみください♪


★これは珍しい!ひそかな噂を呼んでいる★こだわり酒そばこだわり酒そば

当店売れ筋NO1がこの「こだわり酒そば」です!


「こだわり酒そば」は、その名のとおり、
原材料にこだわり、厳選した、国産の原材料を使用しています!

そば畑■こだわり・その1:そば粉■
そば粉は、日本有数のそば処信州・安曇野(あずみの)産のそば粉を、 石臼にて、丁寧に、丁寧に、粗挽きしたものを使用しています。

北アルプス山麓長野県安曇野市一帯の地域は、 名水百選「安曇野わさび田湧水群」で知られる日本有数の名水の土地です。

清らかでミネラルが豊富な水によって、味も香りも素晴らしいそばが育まれます。


豊かな大地が育む小麦畑■こだわり・その2:製法
このそばの味と香りを最大限引き出すため、 製法にもこだわっています♪

そばの実を製粉する際、これまでの方法ですと、 機械製粉のためかなりの熱が発生し、 そば本来の香りが失われてしまいます。
昔ながらの石臼を使ってゆっくりと、丁寧に、丁寧に、挽くことによって、 そばの実の甘皮と呼ばれる部分をも一緒に挽きくるんだ、 そば本来の香り一杯の粗引きの「そば粉」にしています。

■こだわり・その3:小麦粉
小麦粉は北海道の大地が、育んだ小麦粉を使用しています!
北海道産小麦の特徴は、風味がよく、 その豊で広大な大陸同様、豊かな味わいを大切にし、そばの風味を最大限に生かす粉です。


富山県高岡市雨晴海岸より望む立山連峰■こだわり・その4:お酒
地元富山で人気の地酒を使用しています。

富山県は、三方を北アルプス立山連峰などの、山岳地帯に囲まれており、 中央には実り豊かな平野が広がっています。

富山湾、日本海へと開けている天然の巨大ダムともいえる山々からは、 一年を通じて豊かで、清らかな水が生まれるんです!
豊かな大地と清らかな水に育まれた米どころ富山は、日本でも有数の酒どころでもあります。

酒そば本舗の酒そばは、富山で人気の地酒を使用しています。

2023年02月24日

宵の明星


宵の明星が観測されるということです。一昨日の22日が最もよく見えるということでしたので、チャンスがあればと秘かに狙っていたのです。

スマホの記録を見ると、18時22分とあります。





西の空低く糸を引いたような細い三日月の右上に輝いて見えるのが、金星でしょう。もう一つ三日月のはるか上にも明るく輝いている星を見ることが出来ますね。もしかしたら土星かなとも思いますが、自信はありません。

糸を引いたような三日月と言いましたが、写真では崩れたギョーザのように写ってしまいました。これはカメラマンの手振れによるもの。(苦笑!


太陽系の地球のすぐ内側と外側を回る金星と土星、この三つの惑星がその軌道上で近づきあうのは、どのような頻度で発生するのでしょう。それに地球の周りを回る月の位置も関係するはずだから、スマホの画面に縦長に写すことが出来るのはそうそうないことなのでしょうね。



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「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中


この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。

「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。

酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。



ぜひご一読いただければ幸いに存じます。





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Posted by 酒そば本舗店長 at 12:20Comments(11)今日あったこと

2023年02月05日

Spring is just around the corner.


今日の天気図を見ると黄海にある高気圧が日本列島を西から緩やかに覆い、当地北陸富山は冬期間にしては珍しく穏やかな朝を迎えました。

その今朝の様子。



一面の濃い霧に覆われて数メートル先が見通せぬくらいです。晴れていれば霧の向こうに何が見えるかというと、





1週間ほど前に撮ったほぼ同時刻、同アングルの写真になります。北アルプス立山連峰の峰々がシルエットのよう浮かび上がってくるこの時間帯の風景は、何ものにも代え難いですね。


Spring is just around the corner.


一昨日が節分でしたから、暦の上ではすでに春ということになります。春霞とまではいきませんが、このような朝霧に包まれる朝を迎えるようになるというは、春が近づいた証とも言えましょう。





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「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。



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Posted by 酒そば本舗店長 at 09:47Comments(0)今日あったこと

2023年01月30日

Practice makes perfect.


日本人は学校で10年間も英語を習って来ても、ろくに会話もできないという話をよく耳にします。

正直に告白します。・・・私もその口です。(苦笑!


ところで皆さんは、教育現場では新しい学習指導要領の改訂にともなって、2020年度より小学校5年生から英語の授業が実施されているということご存じでしたか?

ほぉ~、これからの子どもたちは小学校5年生から英語を習うことになるのですか。そうすると10年間ではなく12年間習っても、ろくに会話もできないと言われることになりますな。(笑!

・・・そうではなかった。そうならないためにも小学5年生から、聞くこと、話すことを中心に英語を習おうということなんでしょうね。


英語には日本語にない発音をする語があるため、日本人には聞き取ることも発音することも難しいということが理由として上げられています。

皆さんは「L」と「R」の発音を正確に聴き取れますか?正確に発音できますか?

これからの子どもたちは、そこのところを重点的に小学校から習おうということですから、しっかり学んで英会話に慣れて欲しいものです。しかし、私に代表されるごとく、すでに「10年習っても・・・」組は、どうしたらいい?



ウエブトピックスより、
LとR、装置で聞き分け改善 日本の研究チームが開発

このほど情報通信研究機構や大阪大などの研究チームが、「L」と「R」を聞き分ける能力を装置を使って向上させる手法を開発したという話題。

この装置を使って1日1時間のリスニングの訓練を5日間続けたところ、平均で6割だった正答率が、5日後には9割近くまで上がったということです。

なになに、本人は音を聞き分ける学習をしているつもりがなくても、無意識のうちにリスニング力が高まったと。

・・・私も訓練受けてみようかな。(笑!


しかし、よくよく考えてみれば、私は1日1時間も英語のヒアリングの勉強などしたためしがありませんでした。

うん?・・・なんだ、そういうことか!

毎日1時間勉強を続ければ、そりゃあ誰だって能力が向上するでしょう。


たしかこれを英語では、「Practice makes perfect.」と言いますよね。

学問に王道なし。「習うより慣れろ」というのは、西洋でも日本でも同じということでしょう。





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「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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Posted by 酒そば本舗店長 at 12:12Comments(0)一人言

2023年01月26日

「昔懐かしい中華そば」食べました♪


「昔懐かしい中華そば」と書かれたのぼりに魅かれてりさらに年輩の世代ではシナそばと呼んでいました。鶏ガラに煮干を加えた昔懐かしいスープ。あっさりとした後を引く旨さ。スープは最後の一滴まで全部飲み干すことができました。






昔懐かしの中華そば 税込み850円、ご馳走様でした。




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はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

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ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

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Posted by 酒そば本舗店長 at 14:32Comments(0)今日あったこと

2023年01月25日

「仮想水」ってご存じか?


突然ですが、日本は世界有数の水輸入国であるといったら、皆さん驚かれるでしょう。

水と空気と安全はタダだと思っている我々日本人。貴重な飲み水をトイレに流している国。今世界各国では、水資源の確保は自国の安全保障にもかかわる重大な問題となっているといわれても、我々にはピンときませんよね。日本の常識は世界の非常識というわけです。


ところで皆さんは、「仮想水」なる言葉をご存知でしょうか?

冒頭わが国は水輸入国だと言ったのは、まさしくこの仮想水のこと。
すなわち、農作物を育てるための水や家畜の飼料に含まれる水分のことを『仮想水』というのだそうです。例えば麦1キロの収穫に必要な水は、約2000リッター。
日本の輸入食糧から計算した仮想水の"輸入量"は約640億トン、国内で使う農業用水約570億トンを上回るのだそうです。


当地では、おいしい水が飲みたいときに飲みたいだけ、蛇口をひねれば口にすることができますし、生まれてこの方、水不足による農作物の深刻な被害や、節水制限・断水などという経験は一度もありません。


今日初めて知った言葉「仮想水」。

何か我々日本人は、他国の貴重な水資源まで、奪い取っているような気がして、身につまされます。




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そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。

酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。



ぜひご一読いただければ幸いに存じます。





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Posted by 酒そば本舗店長 at 08:01Comments(0)ニュース・トッピックス

2023年01月23日

行司は割に合わない・・・?


大相撲初場所は昨日が千秋楽。横綱不在でしかも大関が貴影勝一人という寂しい場所でしたが、その貴影勝の活躍で、15日間無事場所を取り切ることができました。十両では我が故郷富山県出身の元大関朝乃山が関取に復帰した最初の場所で、14勝1負。見事優勝を決めましたね。来場所は幕の内力士として土俵に上がることが期待されています。がんばれ、朝乃山!

さてその大相撲ですが、力士が土俵上で行うさまざまな所作など、外国人の目には奇異に映るようです。外国人が相撲を見て混乱する要因の一つは、伝統的な装束に身を固め力士の立会いを務める行司にあるのではないかと、俄か比較スポーツ文化評論家( → 私のことです)は考えています。


スポーツには一般にレフェリーと呼ばれる審判がつきもの。主審一人と複数の副審(競技によっては線審)から構成されることが多いですが、いずれにしても判定は主審に絶対の権限があるのは言うまでもありません。

古い話で恐縮ですが、日本のプロ野球でこんなことがありました。「そんな判定ルールブックのどこに書いてある」と迫られた審判が、「俺がルールブックだ」と言ったとか。


そこで大相撲に戻ります。相撲の行司を英語に訳せば、「sumo referee 」となります。「referee」というからには、勝負の判定(judgment)を下す審判となりましょう。ところが行司の下した判定は絶対ではありませんね。「物言い」をつける審判が土俵の砂被りに5人もいる。土俵上に上がって行司も含めて6人で協議をし出す。


「ただいまの協議についてご説明いたします。行司軍配は西方○○山の寄りを有利とみて、○○山に挙げましたが・・・同体ではないかと物言いがつき、・・・協議の結果取り直しとします」

と審判長が場内に説明をして、歓声がワーッと上がるということしばしばありますね。

審判長というくらいだから、英語で言えば「main referee」とか「chief referee」になるのでしょう。ならば土俵上で派手な装束をまとって、「のこった、のこった」と叫びながら動き回る行司は、どういう「referee」になるのだろうということになります。

勝ち負けを判定するのではなく、「同体」という判定もまったく相撲ならではのもの、外国人には奇異に映るに違いありません。

立行司格にもなると、腰に脇差をおびることがゆるされますが、これは下した判定が行司の差し違えとなった場合、これで自らの命を絶つためであるとも伝えられています。いわば命をかけて判定を下す役割を担っているというのに、土俵上の行司(sumo referee )の他に、別に審判(referee)が土俵下に5人もいて、自分が下した判定に異議を唱えるというのは、行司は割に合わない「referee」だなと思いませんか?




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「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中


この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。

「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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Posted by 酒そば本舗店長 at 17:08Comments(0)一人言

2023年01月21日

脳波


少々古いウエブ記事ですが、お読みになられた方は、「そんなわかりきったことを・・・」と思われた方、多いのじゃないかと思います。

チンパンジー 自分の名前を認識 脳波実験で判明

犬だって名前をつけてかわいがってやれば、名前を呼んだら、喜んで尾を振って飛びついて来ることぐらい知ってますよ。トピックスを見ると、脳波を計測する装置を頭につけられ、おとなしくいかにも所在なげに座っているチンパンジーが写っていますが、こんなふうにまで人に従順に従うチンパンジーが、自分につけられた名前を判別できないわけがないでしょう。

まぁ、科学的に初めて立証されたということなんでしょう。

ミズキという名のチンパンジーに(1)「ミズキ」(2)仲間の名前(3)知らない名前(4)「ミズキ」という音に似た雑音を1.5秒間隔で順不同で繰り返し聞かせたところ、「ミズキ」のときだけ、脳波に特定のパターンが表れたというのです。


ならば、チンパンジーではなく一度政治家の先生方で同様の実験をしてみたら、どんな脳波のパターンが現れるでしょうね。先生方に「ケンキン」と聞かせてみて、脳波の反応を調べてみる。きっと新しい科学的発見が見い出せるかもしれませんぞ。

現内閣でも政治資金の問題で総務大臣を辞任された方がいらっしゃいましたね。

「ケンキン(献金)」の次に「ゲンキン(現金)」とか「シキン(資金)」とか言って惑わしたり、ずばり「ワイロ(賄賂)」なんていう危険球を内閣・・・じゃなかった、内角に投げてみるのも効果抜群じゃないか???


もっとも、この方は「ミズキ」のようにおとなしく座っていてはくれませんからね。脳波の測りようもありません。大臣の椅子になら、いつまでもおとなしく座っていたかったでしょうけれど。



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ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

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「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

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大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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Posted by 酒そば本舗店長 at 15:08Comments(0)ニュース・トッピックス

2023年01月19日

本日の日の出


当地北陸富山は早朝より快晴。おそらく昨夜来より雲一つない天気だったのでしょうね。露天駐車してあった我が愛車のフロントガラスはバリバリに霜がついて、出勤に入らぬ手間を費やしました。

今日の日の出。スマホの記録によれば6時29分とあります。





北アルプス立山連峰からのぼる日の出を時系列に何枚か撮ろうと待ち構えていたのですが、あまりに寒く15分ほどで窓を閉めました。1枚のみとなったことお許しください。




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はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

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大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

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Posted by 酒そば本舗店長 at 14:46Comments(0)今日あったこと

2023年01月14日

「せかせか」型と「おっとり」型


性格が異なる2タイプのハエを一緒に飼ったときのほうが、同じ性格のハエだけを集めて育てたときよりも元気な個体が多くなることを、千葉大などのチームが実験で突き止めたという話題。

えっ、・・・ハエにも性格があるんですか?

ウエブトピックスより
ハエの集団にも多様性が大切 実験で生産性最大に


キイロショウジョウバエの幼虫にはエサを探すときに活発に動き回る「せかせか型」と、あまり動かない「おっとり型」があるだなんて。こと餌を食べるということなら、ハエはみな先を競って餌に群がると思っていました。

ふ~む、ハエにも「せかせか型」と「おっとり型」があるのがわかったとして、これを混ぜて飼育すれば、私なんぞは、「せかせか型」の方が活発に動き回る分だけエサにありつける確率が高くなるだろうから、「おっとり型」のは成長が遅れるのは明白。実験するまでのこともないなどと思ってしまいますがね。

ところが「せかせか型」だけを集めた集団の方が、「おっとり型」だけ集めた集団より成長が早い結果となったのは予測通りとしても、混ぜた集団の方が「せかせか型」よりもさらに成長が早いという結果には驚きです。


子どものころ学校から帰ってまずすることといえば、おやつのしまってある場所をいち早く見つけて、食べてしまうことだった私らの世代は、こと食べることに関して言えば、「おっとり型」は絶対不利としたもの。

ところがハエの場合、「せかせか型」と「おっとり型」を同数混ぜて飼育した方が、生き残った幼虫の総重量が重かったというのは、ハエは限られた少ない餌を仲良く分かち合って食べるということか?

・・・人間様以上じゃないか?


キイロショウジョウバエの幼虫を見習いたいものです(爆笑!




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大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。

酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。



ぜひご一読いただければ幸いに存じます。





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Posted by 酒そば本舗店長 at 12:16Comments(0)ひとり言

2023年01月12日

核心的利益と食文化


人はパンのみに生きるにあらずと西洋の賢者は言ったのでしたが、食わなければ生きていけないのが凡夫の悲しさ。

その食べ物も所変われば、品も変わろうというもの。そして人には好き嫌いがつきもの。さらに信じる宗教の教えには、口にしてはならぬものがあったりするから話は複雑になります。

食の大国中国では、おおよそ四足のもので口にしないのは、机くらいと言われていますね。かの国の国民の健啖ぶりにはまったく舌を巻きます。

その中国で犬肉・猫肉の食用を禁止する法律が施行されたのは2010年のことでしたが、何しろ数千年にわたって犬猫を食用にしてきた国ですから、法律が定められてから高々10年たらずで食習慣が変えられるわけがないのもわかるような気がします。

いまだに1万匹にものぼる犬が饗される「犬肉祭り」が開催されているのは、そのことを如実に物語っています。

そんな法律が定まろうがうわべだけのことで、今までどおりうまい物をうまく食ってどこが悪いか、お国が定める法律は破るためにあるくらいの勢い。動物を大切にするより、まず人を大切にしろ。我々は動物以上に抑圧されているではないかということらしい。

好きな物は好きに食って来たように、言いたいことも好き勝手に言わせてくれというわけですね。「衣食足りて礼節を知る」はずのこの国にあっても、やはり西洋の賢者のことばは当たっていたということか・・・。


一方動物愛護団体からすれば、犬猫を食うとは言語道断。中国人はペットを殺して食べる野蛮な国民。ついでに鯨を獲る日本人も負けず劣らず野蛮人となるんですが、私にいわせれば牛や豚ならいいのか、ガチョウに無理やり餌を食わせて、大きくさせた肝臓だけ取り出して舌づつみを打つのは、立派な食文化といえるのか?

土地土地、そこに暮す民族各々に食文化があり、慣習があり宗教を持つのだから、人間が人間を食わない限ぎり、牛を食おうが嫌おうが、豚を食おうが嫌おうが、魚を生で食おうが焼いて食おうが、咎めだてはできないだろう。

どこで線引きをするかで天と地ほども開きができる問題を 自分の国の食習慣だけを基準に論ずるの愚を冒しているのが欧米の動物愛護団体といえないか?


ただあれだけ領土領海の問題については、自国の 核心的利益と声高に主張し国際世論に徹底反論するかの国が、どうして4000年という長い歴史のある自国の食文化をいとも簡単に翻し、欧米の動物愛護団体の顔色をうかがうのか?学校給食で鯨肉の竜田揚げを食べて成長したこともあってか、この歳になっても鯨肉を懐かしさとともに食したいと思う私には理解できません。



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「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中


この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。

「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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Posted by 酒そば本舗店長 at 11:18Comments(0)ひとり言

2023年01月08日

餅にも飽きたので・・・。


雑煮に、きな粉餅に、磯べ巻きに、ぜんざいにと、餅にも飽きたことだし・・・・というので、昨日のお昼に食べたラーメン。

自家製チャーシュー麺。・・・といってもチャーシューはスーパーの精肉売り場で買ってきたものなので、自家製とは言えないか?しかも、よくもこれだけ薄くスライスできたものだと思うくらいに超薄い。(笑!

5枚麺の上に乗せたのですが、実質普通の厚さのチャーシュー2枚分ほどでしょうかね。そしたらチャーシュー麺じゃなくて普通のラーメンじゃないか。

2014011912170000.jpg


まあ、チャーシューが実質2枚でも我慢するとして、刻みネギがないのはラーメンとして致命的。ネギ好きの私にすれば、刻みネギの入っていないラーメンは、ラーメンとはいえませんね。

不満タラタラで、「自家製チャーシュー麺」をすすったのでした。

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そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
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まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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Posted by 酒そば本舗店長 at 11:26Comments(0)今日あったこと

2023年01月02日

「禍」と福」


新年早々思ったこと。

私らは時の宰相がもはや戦後ではないと言い、この国が高度経済成長の坂道を一気に駆け登ろうとしたころに小学校に通った世代ですが、学校でも家庭でも「若い時の苦労は買ってでもせよ」と聞かされて育ちました。中学校に上がるころには、「艱難汝を玉にす」ということばの意味も理解できるようになっていたようでもあります。

確かに日ごろ生きていく中で困難な局面に遭遇したとしても、あの時今よりずっと苦しい局面を歯を食いしばって乗り越えたではないかと、自分自身を鼓舞して頑張るってこと、一度や二度ならずあったように記憶しています。

しかし、それはあくまで自分自身の経験を思い出してのこと。まさかそれが親の代の経験も関係しているかもしれないなどと、そんなことを考える人は誰もいないでしょう。

「親の因果が子に報う」という言葉は、どちらかといえば現生の不幸は前世での悪行が原因であるという仏教的な戒めの言葉と理解されますが、もし、親が苦難を乗り越えて獲得したストレスへの耐性や生き残る力が、子や孫にも引き継がれるとしたなら、まさしく「親の因果が子に報う」ということになりはしまいか。


ウエブトピックスより、
苦難越え得た能力、子孫にも継承 京大が線虫で確認

科学の世界では、実験の結果に10%~20%の差異があれば、そこには明らかにその差異が生じる原因があると考えるのが一般的ですから、親の因果(ストレス)がその代だけでなく子孫にも報いた(ストレス耐性の獲得)と考えたくなります。

線虫でそうであるならば、人間でもと思いたくなるのが人情。果たしてこの研究結果は、ヒトの環境への適応力を子孫に継承するという種の生存戦略への応用につながるものでしょうか?


私のような意気地なしでさえ、人生の困難な局面に出くわしたとき、「艱難汝を玉にす」と己に言い聞かせるのは、今は苦しくともこの難局を乗り越えれば、明るい未来が必ずやって来る、必ず展望は開けると信じるからでしょう。しかし、今の苦労が子や孫の代になって報われるというのは、あまりに切ないというものではありませんか。

「禍福は糾える縄のごとし」という諺もありますね。これは幸福な現況に甘んじることを戒めるという意味もありましょうが、どちらかといえば不幸な境遇にあっても、やがて必ず幸福がやって来るという希望的な意味合いのことばと解釈するのが一般的です。しかし、その周期までは言及していないことに、私は今気づき愕然としています。

その周期は長くてもせいぜい10年、20年のことであろうと思ってきたのでしたが、もしかしたら50年、60年、いや100年、200年待たなければならないということもあるのだろうか?

・・・いかん、いかん。ものを悲観的に考え出すと、負のスパイラルに巻き込まれて奈落の底に落ちてしまうとは、このことではないか。


人生に困難はつきもの。辛いにはこの上なく辛いですが、後世(子や孫の世代)になってそれが報われるというのなら、結果多いに良しとしたものではないですか。線虫を習ってじっと耐え忍ぶとしましょうか。(苦笑!


古の中国の賢人は、同じ「禍福」を使ってこうも教えてくれています。

「意之所存、便為禍福」(意の存する所は、すなわち禍福となる)


幸も不幸も心の持ち方次第であると。・・・しかし、辛いなぁ~。(苦笑!




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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

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2023年01月01日

時代小説が好きPART178「ふりさけ見れば」(8)


日経連載小説「ふりさけ見れば」は、新しい年が明けての今日元旦の掲載が第511回になります。

日本人なら「ふりさけ見れば」と聞けば、誰しも「春日なる三笠の山に・・・」と口をついて出て来ようというもの。「遣唐使」「阿部仲麻呂」「ふりさけ見れば」は、いわば歴史の3点セット。


なぜ仲麻呂は日本に帰ることができなかったのか?いや、あえて帰ろうとしなかったのか?いよいよその謎が明らかになってまいりました。

唐と対等の外交関係を持とうとする大和朝廷が望んだのは、朝廷の正当性を証明する帝の出自について。膨大な歴史書を貯蔵する唐の君主教殿の蔵書蔵には、それを解き明かす書物があるはず。それを手に入れよ。あまりにも冷酷な用間(スパイ)としての密命が仲麻呂に負わされていたとは。

もう一つ私が注目していたのは、かの有名な「ふりさけ見れば」の歌は、いつ詠まれたものかということ。著者の安倍龍太郎は、過酷な用間としての使命を達成し帰国の途に就いた船上で詠んだと記述しています。遣唐使の任を命じられた時、故郷奈良の三笠山に詣でた折に見た月を思い出して詠じたのだと。

本日の連載では、船が遭難座礁し大陸(現在のベトナムの地)に戻ってしまった以降の仲麻呂が、玄宗皇帝寵愛の楊貴妃の実姉楊玉鈴と再会した場面が記述されています。挿絵には中国風の窓から、山陰にかかる三日月が描かれています。

(まさか、これは・・・)

仲麻呂が向かい入れられた屋敷は、内装がすべて日本風に改装されているではないか。夜半目を覚ました仲麻呂が窓から目にしたものは・・・。

瑠璃(ガラス)がはめ込まれた窓から見える築山は、なんと奈良の若草山や三笠山に模したものになっているではないか。

「仲麻呂は胸を打たれ、呆然と立ち尽くした。これも玉鈴の心尽くしに違いない。そのことへの感謝と、ふるさとには二度と戻れないという現実がないまぜになり、喜びとも悲しみともつかない激情がのど元まで突き上げてきた」


用間にまで身をやつした仲麻呂の喜びとも悲しみともつかないこのときの激情が、「ふりさけ見れば」の歌にみごと詠みこまれているからこそ、後々まで名歌として語り継がれて来たに違いありません。


さて、結末はいかに。安倍龍太郎の筆が待たれます。




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「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

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大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

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2022年12月24日

なぜ年越しそばを食べるのか?



そば屋を本業にしておりますと、しばしば大晦日にどうしてそばを食べるようになったのかと聞かれることがあります。

年越しそばをどうして食べるようになったかといえば、一般には、

そばのように、長く(永く)健康でありますようにという意味を込めて食べるようになったとか。

金座の金粉や細工かすを集めるのに、練ったそばを用いたことから、そばは金を集めるという意味で、縁起を担いだのだという節。

文字通り何かと気ぜわしい年の瀬で、体調を崩しそうになっても、そばは消化もよく、食べやすく、しかもそばの薬効成分が体調を整えてくれるからだとか、諸説いろいろあるよう。

私もものの本で読んだ受け売りの知識ですので、こうだと断定はしかねるところですが。

一度こんなことがありました。「諸説いろいろありますがね・・・」と、さも知ったかぶりに説明したところ、

「別にそばでなくともうどんだって長いじゃないか。そば粉の代わりに小麦粉を練ったっていいでしょうよ。お粥ならもっと胃腸に優しくて、しかも食べやすくないですか」

と突っ込まれて、ことばに窮したことがありましたね。


まあ、私の場合はそば大好き人間ですから、大晦日に限らず毎日食べてもいっこうに不都合はありませんがね。

なぜ年越しそばを食べるのか?それは大好きだからっていう説はどうでしょう?・・・ダメか?(笑!




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「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中


この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。

「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。

酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。



ぜひご一読いただければ幸いに存じます。





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Posted by 酒そば本舗店長 at 10:24Comments(0)そばの雑学

2022年12月22日

冬至


今日12月22日は冬至。

今朝妻が「今年は冬至、何日だっけ?」と独り言ちしていましたが、「はは~ん、そういうことか」とピンときましたね。今晩のおかずにはカボチャの煮つけが出るなと。それならば私はゆずを買っておこうと、秘かに家を出ました。

なぜ冬至にカボチャを食べて、ゆず湯に入るのか調べてみると、カボチャは南瓜(かぼちゃ)と書きますが、訓で読むと「ナンキン」。冬至に「ん」で終わるものを食べるとうん(運)がつくから。また、冬至は「湯治(とうじ)」に通じるからと説明してありました。

・・・ずいぶん苦しいこじつけのような気がしないでもありませんね。(笑!


食事や入浴のことでなく、毎年冬至になると思うこと。こじつけではなく、科学的根拠のある話。

冬至は日照時間が一番短い日。これからは間違いなく日が長くなる。もうこれ以上日が短くなることはない。今が底、これから少しずつ展望が開けていくに違いない。私はいつもそう思うことにしています。

・・・それでも毎年カボチャの煮つけを食べて、ゆず湯に入ることになりますが。(苦笑!



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第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

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Posted by 酒そば本舗店長 at 14:59Comments(0)今日あったこと

2022年12月13日

マラリア


世界保健機関(WHO)の発表によれば、マラリアによる死者が、2019年に世界全体で推計40万9千人に上ったとのことです。

ウエブトピックスより、
マラリアで40万9千人死亡 減少傾向もコロナ影響懸念


とかくマラリアといえば、熱帯地方で蔓延する感染病のようにとらえがちですが、古くから日本でも広く知られており、「瘧(おこり)熱」と呼ばれた病がこれにあたるのだとか。小倉百人一首の選者としてでも知られる平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した藤原定家は、このマラリアによっておきる周期的な瘧(おこり)による高熱に悩まされていたと、作家篠田達明はその著書『モナ・リザは高脂血症だった』に記しています。

また有史以来人類を最も死に至らしめたのはこのマラリアともいわれていますから、現代人は特効薬キニーネを手にしたとはいえ、マラリアで体力が弱ったところへ他の感染症を併発すると死亡率が一気に跳ね上がる恐ろしい病です。

いうまでもなく他の感染症といえば、現下のコロナ。


手洗いとうがいと、それにマスクもせにゃならんし、人に近づくのも慎まなければならない。そのうえ蚊にも刺されないようにせにゃならんとは、全く厄介な時代になったものです。   



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大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

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確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

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Posted by 酒そば本舗店長 at 14:48Comments(0)一人言

2022年12月12日

時代小説が好きPART178「ふりさけ見れば」(7


日経連載小説「ふりさけ見れば」、毎朝新聞が届くのを楽しみにしています。今朝も新聞受けを2回覗きに行って、2回目に今日は新聞の休刊日であることに気づき、いたく失望しました。

日本人なら「ふりさけ見れば」と聞けば、誰しも「春日なる三笠の山に・・・」と口をついて出て来ようというもの。「遣唐使」「阿部仲麻呂」「ふりさけ見れば」は、いわば歴史の3点セット。


なぜ仲麻呂は日本に帰ることができなかったのか?いや、あえて帰ろうとしなかったのか?いよいよその謎が解き明かされようとしています。

それが仲麻呂は秘かに用間(スパイ)の任務を帯びていたからとは、衝撃意外の何ものでもありません。唐と対等の外交関係を持とうとする大和朝廷が望むのは、朝廷の正当性を証明する帝の出自について。膨大な歴史書を貯蔵する唐の君主教殿の蔵書蔵には、それを解き明かす書物があるはず。それを手に入れよ。

唐の官吏として皇帝に仕え、ようやく君主教殿に自由に出入りできるまでの地位についた仲麻呂は、『儀略』の中にその記述を発見したのであった。しかし意外にも皇帝・玄宗は、仲麻呂にその『儀略』を渡し、日本への帰国を許したのであった。


帰国の途に就いた仲麻呂一行には、もう一つ秘かな仕事が待っていた。鑑真和上の密航を計ることである。それを阻まんと遣唐使船の後を追って来た唐の役人の船を仲麻呂の巧みな機転によって欺き、途中胡逗洲の入り江で待ち受ける鑑真一行を乗せることに成功した4隻の遣唐使船は、琉球列島の小島にたどり着くことが出来た。ここで風と潮の状況を読み、九州目指して再度船出する手はずを整えていたのであったが。

ところが仲麻呂より一つ先の遣唐使船で来唐していて、今回帰国が叶った留学僧・弁正の病が篤くなり、死の床についてしまった。弁償こそが仲麻呂より先に密命を帯びていた用間であったのだ。

最後の望みとして『儀略』のその記述を見せてくれと言う弁正。後宮ばかりでなく政までにも口をはさめるまでの地位と権力を持った宦官・高力士に取り入るために自ら虚勢までした弁正もまた、『儀略』にまでたどり着いていたのだ。

「・・・ち、違う。これはわしが見た『儀略』ではない」

その時2本の矢が弁正の背に突き刺さり、弁正は絶命してしまう。

いったい誰が弁正を殺さなければならないというのか。唐の息のかかった手先が船に乗っていたというのか。それよりも何よりも、玄宗皇帝は仲麻呂にあえて偽の『儀略』を渡したというのか。



歴史書によれば、このとき帰国の途に就いた遣唐使船は4隻。うち3隻は日本にたどりつくことが出来たが、仲麻呂の乗った船は遠く越国(ベトナム)に流され座礁したと伝えています。

・・・そうか。もしかしたら、仲麻呂は3隻の船を黒潮に乗せて日本に返し、自ら乗る船は逆風の東の風に乗せて、大陸に戻ろうとしたのではないか!?


果たして安倍龍太郎はどのようにその結末を描くのでしょうか。・・・明日の朝刊が待たれます。


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2022年12月10日

成道会


古都・京都から無病息災を願い、大根を大鍋で炊いて振る舞う師走の風物詩「大根だき」の話題。

12月7日と8日の二日間、京都市上京区の千本釈迦堂(大報恩寺)で、大鍋で炊き上げられた熱々の大根が訪れた参拝者に振る舞われたということです。お釈迦様が悟りを開かれた日とされる12月8日に行われる成道会(じょうどうえ)に合わせて、毎年行われているとか。

この「大根だき」一杯が1000円だそうですが、正直言って少し高いという気がしないでもありません。まあ、無病息災の願いが大根に滲みているということなのでしょう。


大報恩寺さんは真言宗でしたか。宗派により違うのかもしれませんが、私ども浄土真宗の門徒にとっては、12月8日より11月28日がより身近と言えるかもしれません。子供のころより報恩講はよく耳にして来ましたが、成道会はお釈迦様が悟りを開かれた日だというのに意識が希薄でした。

「大根だき」(当地北陸富山では「大根の煮しめ」といいます)にしても、報恩講の法要が終わった後に振る舞われる精進料理に必ず出て来ますし。


お釈迦様がお生まれになられた日(灌仏会)と、お亡くなりになられた日(涅槃会)のことは承知しておりましたが、肝心の悟りを開かれた日(成道会)のことを知らなかったというのは、何とも不信人な仏教徒もいたものです。


成道会(じょうどうえ)が過ぎて早2日が経ちましたが、今晩は「大根の煮しめ」を食して、御仏のお導きにすがりたいものだと思っています。


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・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。
「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。

まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


第一部「酒」編
「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。

酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。

世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。



ぜひご一読いただければ幸いに存じます。





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Posted by 酒そば本舗店長 at 16:51Comments(0)一人言

2022年12月08日

うそつき豆腐の日


今日12月8日は何の日?

私らは時の宰相が「もはや戦後ではない」と言ったころ小学校に通った世代ですから、12月8日といえば、いかに戦後生まれとはいえ大方の人は太平洋戦争の開戦日と答えるでしょう。「ニイタカヤマノボレ1208(ヒトフタマルハチ)」は、連合艦隊司令長官・山本五十六大将から、攻撃部隊の第一航空艦隊司令長官・南雲忠一中将に発せらたもの。子ども心にもいかにも重大な内容を知らせる暗号文らしい文だと感心したものです。

暗号命令を受けて、攻撃部隊の6隻の空母より発進した第一攻撃部隊の指揮官・淵田美津雄中佐が奇襲成功を知らせた暗号文「トラ、トラ、トラ」も有名ですね。これもいかにも暗号文らしい。

しかしアメリカはこの日本海軍が使っていた暗号を解析によって解読していたことも、あまりにも有名な事実です。1943(昭和18)年4月18日、前線視察のためニューブリテン島のラバウル基地を飛び立った山本五十六長官の搭乗機が、ソロモン諸島ブーゲンビル島の上空で待ち受けていた米軍戦闘機に撃墜されたのは、暗号文がアメリカ軍に筒抜けになっていたため。

アメリカ人が大好きなポーカーにたとえるなら、相手の手の内にどんなカードがそろっているのかすべてわかるのですから、誰がやっても勝てるわけです。日本はとんでもない勝負を挑んでいたことになりますね。

アメリカはその事実が日本軍に知られるのを避けるため、山本長官機を撃墜したとは公表せず、たまたまパトロール中の戦闘機が遭遇した日本の攻撃機2機を撃墜したと発表したにとどめたくらいですから、日本軍は完全に欺かれたわけです。


話はがらりと変わりますが、12月8日は「うそつき豆腐の日」でもあるってご存知でしたか?

鳥取県では「12月8日に豆腐を食べると、1年間についたうそが全部消える」という言い伝えがあるということです。私は鳥取県と同じ日本海側の北陸富山に住んでいますが、そんな重宝な日があるってこと知りませんでした。

私らは子どもの頃より人を欺いてはいけない。うそつきは泥棒の始まりと聞かされて育ちましたが、しかし長い人生の中で何と多くのうそを重ねてきたことか。うそも方便と言いますね。お釈迦様でさえ、衆生を救うために方便を語られた。確かに自分自身をふり返ってみても、人を傷つけないようにうそをついたということもあったでしょうが、その場しのぎの自分本位のうそをついて相手を欺き、後味の悪い思いをしたことの方が圧倒的に多いのは、なんとも情けなく恥ずかしいかぎりです。

う~ん、60有余年の人生の中でたまたま12月8日に豆腐を食べた年もあったかもしれませんが、いかに豆腐が好きといってもそんなタイムリーに食べたという記憶はあろうはずがありません。これからは毎年12月8日に豆腐を食べることにしなければ・・・。差し当たって今晩は、女房殿に湯豆腐でも所望しようかな。

「あら、どうしたの?湯豆腐だなんて・・・」と聞かれたりして。

「いや~、寒くなってきたことだし、ちょうどいいんじゃないかと」

あれ?・・・またうそをつくことになるじゃないか(爆笑!



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「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中


この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。

「酒」と「そば」と


まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。

はじめに

小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。
ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。

・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。

日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。
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「過ぎたるは及ばざるがごとし」

古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか?

う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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2022年12月06日

「ハゲ、デブ、メガネのアブラオヤジ」


私の敬愛する人気作家・浅田次郎氏は、たぐい稀なるエッセイイストでもありますが、氏はしばしばそのエッセイの中で自らのことを「ハゲ、デブ、メガネのアブラオヤジ」と自虐的に書いておられます。

浅田先生は団塊の世代の終わりころの生まれ。私はそれより2~3年遅れて生を受けているだけですから、私もまったく不本意ではありますが、今となってはやれウザイだの、やれダサイだの、あげくの果てにはクサイだのと、若者から後ろ指を指される堂々たるオヤジとなり果てました。

私の名誉のために申し添えておきますが、私の頭髪はまだふさふさと頭皮を覆っていますから、オヤジ度はまだ浅田先生には及んでいないものの、ハゲを除く他の三項目は、もしかしたら浅田先生を凌ぐのではないかと憂慮しています。

かって高学歴、高所得、そして高身長は、うら若き乙女が結婚の相手として願う理想の男性像とされ、これを「三高」と言いましたね。これに対して、高血圧、高血糖、高コレステロールは、「ハゲ、デブ、メガネのアブラオヤジ」にとっての新「三高」。

最近の健康診断ではそれに加えてメタボ診断というのやらもあって、カーテンの陰に引っ張り込まれて腹回りを測られたりします。洋服屋の店員であれば、「お客様は立派な体格でいらっしゃいますから・・・」などと遠慮がちに言いながら、一回り上のサイズの服をやさしく自然な仕草で持って来てくれるのに、健康診断の腹回りの測定係りの声が、なぜか勝ち誇ったように聞こえてしまうのはどういうわけだろう?

「89センチ!・・・メタボですね。」(笑!


・・・というわけで、これがビールであればさぞかし美味いだろうなと思いながら麦茶を飲んだり、タバコのかわりに昆布をしゃぶったり、駅のエスカレーターを使わず階段をダッシュして息を切らしたりしている人の姿をよく観察すると、・・・確かに間違いなく「ハゲ、デブ、メガネのアブラオヤジ」ですな。(涙!




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この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。

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小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。
「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」

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古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。

「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。

このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。

大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。

3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?

しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。

すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。

確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。

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う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。


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